人間・自己基準と、自然・天然基準は、ちょうど、逆になります。
ほとんどの農法は、前者の考えで成り立っています。
いままでの学問、常識の世界です。
自己・人間の側、過去の側からしか、ものを観ていないからです。そのひとつの例が、一般的に言われている、チッソ飢餓です。

たんじゅん農法の実践をしている方が、よくブッつかる現象が、「チッソ飢餓」です。

それについて、神奈川・二宮の中村隆一さんが、つぎのようなコメントを、たんじゅん日本のメールに載せています。tanjun-nippon@yahoogroups.jp

たんじゅん農法とは、自然・天然を基準に、未来側から、ものを観ることで、成り立っています。

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たんじゅん農法には窒素飢餓など無いという事に気がつきました。
窒素飢餓とは、施肥農法で土中に窒素が足らなくなる事を指すのだと思います。
そもそもたんじゅん農法では土中に窒素など与えないのです。
なぜそのたんじゅん農法に窒素飢餓が起きると言うのでしょうか。
元々無いのが当たり前なのです。
同じ状態を見た時、たんじゅんが分かっている人は違う判断をするはずです。
確かに見た目は同じように見える現象は起きます。
それを見て、たんじゅん農法の場合は、微生物が少ないと判断するのが当たり前だと思うのです。

今日、明らかに見た目は窒素飢餓の状態にあるキャベツの苗を観察していました。
双葉の状態からほとんど成長できずに赤くなってしまっている苗です。
所がこの苗をプラグトレーから抜き取ってみてびっくりしました。
根鉢が出来上がり、しっかりした状態になっているのです。
上部は全く成長していない、所が土中は出来上がった状態になっている。
多分この状態だと施肥栽培のものは根が死んでいると思います。
所がたんじゅんの苗はこの状態で多分、待っているのです。
何を待っているのかというと微生物達との出会いです。

自然農法をやっている時に、あるいはたんじゅんの初期にもよく有ったのですが、苗を植えてもしばらくそのままの状態でいる事がよく有りました。
このまま成育しないのではないかと思って、忘れた頃に急に成長し出すのです。
これは土中で根が微生物達と出会う事が出来ずに待っているのではないかと推測しています。
そして、充分に植物が育つために必要な微生物達に出会った(微生物達が育った)時に急に成長し出すのではないでしょうか。
これはエンドファイトの説明とも合致するところです。
微生物達と根がお互いに信号物質を出し合って呼び合い、出会って感染した時にその信号物質が植物の中で作用して、成長して良いというシグナルになるのだという実験から得られた説明がありました。
付け足して言っておきますと、根は微生物達つまりエンドファイトと出会うと、根とエンドファイトは絡み合い一体化して、どこまでが微生物でどこまでが根なのか境界が無いような状態になるそうです。
そういった中で多種類の微生物達と根がお互いが必要とするものを供給し合い、共生していくようです。
もっと言うと、どうも植物がそれぞれの微生物達に、あれを持ってこい、これを持ってこいとイニシアティブを握っているようです。
土中はそういった根と微生物の壮大なネットワークが出来上がるそうです。
考えようによっては、一カ所の畑が一つの生物と言っても過言ではない状態になるのだと思います。
ですから微生物を飼うためには、生きた状態の植物があるのが一番良いのだと思います。

これらの事から考えても、窒素飢餓という概念を持っているうちは、施肥農法から抜け出せていないのだと私は思います。

中村 隆一 ponkichi-farm@nakamura.email.ne.jp

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