2009年9月16日
carl
▼竹馬さん
窒素飢餓の理論・・・
この類の図、有機農業について少しかじったことがある方なら、一度は見たことがあるかと思います。
http://www.jppn.ne.jp/oita/dojouhiryou/hutuusaku/f11.htm  (以下 引用)
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畜ふん堆肥の選び方の留意点(C/N比)   日本植物防疫協会 土壌肥料担当
今回はその成分の中で炭素・チッ素比(以下C/N比と表示)を中心に話します。
C/N比とは堆肥中のチッ素(N)含量に対する炭素(C)含量比のことです。C/N比が高い堆肥(おおむね25以上)は、施用当初は土壌中で堆肥が分解される際に無機態チッ素(植物に利用されるチッ素)が微生物に奪われ、図1の例のように一時的にチッ素飢餓(植物が利用できるチッ素がない時期)が起こる場合があります。<転載者注)上記リンクで見られる図を参照ください

逆に、C/N比が低い堆肥(おおむね10以下)は、図2の例のように施用当初から分解されるに従って無機態チッ素が急激に増え、未熟な堆肥ではガスが発生する場合があります。図1及び図2のような堆肥は作付け直前に施用すると生育がかえって悪くなる場合がありますので期間をあける(通常作付け前1ヶ月以上)などの注意が必要です。また、図1のような堆肥は特に土壌構造の改善(土壌中の通気性をよくしたり、耕耘しやすい構造にするなど)に利用するのがよいと思われます。図3のようなC/N比が中庸(おおむね10~25)な堆肥は施用当初からチッ素が徐々に効いてきます。一般にC/N比は牛ふん系堆肥で高く、鶏ふん系堆肥で低く、豚ぷん系堆肥がその中庸です。しかし、同種類の家畜由来の堆肥でも、腐熟度や混合している副資材の違いによってC/N比が異なり、C/N比の低い堆肥はチッ素が速く効き、高い堆肥では遅く効いてきます。

今後堆肥を選ぶときは、チッ素、りん酸、カリの他にC/N比についても気をつけ、利用目的に適したものを選びましょう。
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自然農法センターでも習ったし、センターの理事も著書で書いているし、なんだか洗脳されていたのかな? これに縛られている人は多分とても多いと思います。

ところが、炭素循環農法を実践している畑では、糸状菌がガードし、高炭素資材でも最初から養分を提供できるわけでこんな図にはならないということですよね。
しかし、何らかの理由で糸状菌が優先して働かない状態では実際に窒素飢餓がおきるということですよね。

糸状菌と仲良くなる方法を早く覚え、実に付けたいとおもいます。

9月17日
竹馬
>carlさん
「どのような有機物をどのように処理して、どのくらいの量を、どのくらいの深さに混ぜたか、季節はいつか、天気はどうか。地下水位はどうか」といった現実に圃場で考える事柄を詳細に説明されているものを見たことがありません。
個人的には「窒素飢餓という現象が、有機物の炭素率によっては起こりうる、または主な要因である。」と考えています。
指導者側もシンプルに説明する上で、「原因は一つではないが、とりあえずこういうことがあるよ」と伝えるしかなかったのではないかと思います。

炭環農法では「糸状菌がガード」とありますが、実際はわからないです 。菌糸が鋤きこんだ有機物すべてに目視できるわけではありませんから。ただ、管理はHP上にあるように行っているつもりです。優先順位 1、空気 2、水 3、餌 ですね。

9月18日
carl
▼竹馬さん
私も入れた剪定チップでときどき菌糸がまわっているのを確認しますが、まわっていないものも結構あるので、これで大丈夫かなぁと思うときがあります。

優先順位は人間と同じ、と覚えておけばわかりやすいですね。

9月18日
taipan
転載者注)写真はすでに削除されており転載できませんでした
この地には6年前に来て、ログ生活で畑をしています。
福島県で気候的には寒冷地になります。野菜作りには、全くの素人です。

写真1が現在の状況。
写真2は小屋に巣を作っている、怖いキイロスズメバチ達
怖いので近寄らないように、しています。
写真3は、草刈の途中で見つけました。カマキリの卵。地上、10cmと所に産み付けれてあった。   今年は雪が少ないのかなー。

ここで炭素循環農法をやってみようと意気込んでいます。
10年程、何も植えていません。今から草刈をして、来年、春から畑として使用しようとおもっています。昨日、1反ぐらいの草ボウボウの放棄農地の草刈を開始です。
今までは、他の畑でホソボソと野菜を作って家内と私の食料を確保しております。

質問;草刈の後、耕すのでしょうか。それとも、麦を植えるのか。
とりあえずの作業を教えて下さい。

9月18日
竹馬
taipanさま、
こちらも、比較的寒冷地です。
こちらでは、今生えている雑草は10月下旬まで育てておいて、その雑草を菌のえさとして混ぜ込みを行います。 そして、春、夏野菜を作ります。

9月19日
まーぼう
>taipanさん

草刈りはもうされたのでしょうか?
もしそうでしたら、刈り取った草を数日そのままにしておいて半生の状態になってから浅く土と混ぜ合わせてください。 そして出来ましたらすぐに野菜か緑肥を作付けてください。

畑の土を良くするにはなにしろ土壌微生物のための餌が必要です。
そしてその餌とは高炭素で腐敗しにくい有機物です。
しかしながら餌をやるだけでは不十分で、土を育てるには植物の力が必要です。
植物の根と土壌微生物がお互いにお互いを育て合い、土壌環境をよりよいものとしていきます。

一般的には畑を休ませる期間が必要といわれますが、この農法では逆で畑を休ませてはなりません。
暇さえあれば土壌微生物に餌をやり、何か作物を植えておきます。
こうすることでより早く土が野菜を栽培するのに適した環境になります。

9月20日
taipan
竹馬さん、
昨日、取り合えず草刈が完了しました。 次の作業を考えています。

色々と考えていると、嬉しくなって来てます。
最近、こちらの生活も退屈になってきていましたし。
新しい刺激を与えられて、喜んでいます。

9月20日
taipan
まーぼうさん、

昨日、取り合えず草刈完了です。
完了した畑に座ると、枯れ草のニオイに囲まれて、なぜか、心が癒されました。

畑を休ませないで野菜を育てる事が大事なのですね。
取り合えず、緑肥になる物からうえていきます。

それと、この地方で廃菌床が手に入るか、さがしてみます。
木材チップは簡単に手に入るのですが。
それと籾殻もこれから大量にでてきます。

やはり廃菌床が資材の基本ですか。

9月22日
まーぼう
>taipanさん

木材チップや籾殻が大量に手に入るとは、恵まれた環境ですね
畑の菌の餌やりには困りませんね

高炭素資材の使い方などの基礎知識はこの辺りを読まれるとよろしいかと。http://tan.tobiiro.jp/jissen/rei.html#kantigai  (転載者関連付けリンク

9月22日
taipan
まーぼうさん、
高炭素資材の使い方を一所懸命読みました、が1回では理解できず
これから何回か読んで理解します。

9月24日
まーぼう
>taipanさん

炭素循環農法HPは内容がすごく濃いですよね!
読み返すたびに新しい発見があります

これからご自身が体験されたこと、こちらで教えていただけるのを楽しみにしております

2010年1月11日
りょうすけ
高炭素資材を投入し始めて“おや?”と思ったこと

1、混ぜた所が早く乾く

土の変化を断面で観ようと思い、高畝にして畝の上部10cmに登熟したイネ科の雑草を短く裁断して極少量の米ぬかと混ぜ、生長の早いラディッシュを栽培しました。

ある日雨が降り、その翌日雑草を混ぜた所を観ると、草を混ぜた所だけが土色が変わり、乾燥が進んでいて、水分計でみるとそこが4、その下が8でした(メモリは1~10)。

その後、やはり高炭素資材を混ぜた所はそうでない所よりも、早く乾いた色合いに表面上変化しています。

※現在は畝立てはしてないです。

2、石が土まみれでなくなる

圃場に結構石が混ざっているのですが、高炭素資材を混ぜ込んだ場所の石は土があまりつかなくなって、雨に打たれたような状態で土から出て来ます。
細かい土の粒子を微生物達が抱き込んでいってるような印象を受けてます。

3、雑草を入れるときはその状態を良く見ないと土が堅くなってしまう

取り組み始めた頃、過去に草引きをして積み上げていたものを、なんとなく畑に入れて見たのですが、そう言う所はどんなに浅く混ぜてても、あまりいい結果は出ませんでした。

具体的に何がどういい結果ではないのか説明ができないです。
あと、混ぜる前と比べると土が悪くなっている印象は無く、どちらかというと保水力と通気性はよくなっているけれど、なんだか硬い(きめが細かい)感じになってしまいました。

ただ、そこにたくさんのイネ科以外の雑草がはえたのですが、その根が主根が見えないで膨大な量の根毛だけの根っこでした。 そんなのはそれまで見たことが無かったので、ビックリしました。

1月11日
taipan
転載者注)写真3枚削除跡あり 転載不能
ココの畑は水はけが悪く、いつもじめじめしています。以前は田圃だったのですが今は畑にしております。

去年ビニールハウスを建てたのは良いのですが、30cmも掘ると臭くて、臭くて、堆肥が腐っているのが実感していました。

炭素循環農法を読んでいますと、ここの大地は最低の畑に思えてきました。 害虫のために野菜を作っていたと反省しております。

少しでも早く健康な大地にしたく、籾殻がたくさん頂けるので、
もみがらクンタンを大量に作って、投入しました。
深さ50cm、幅30cm、長さ18mの溝を3列作り、厚み20cmにして、入れました。

その上に、山から取ってきた、腐葉土、落ち葉、笹を20cm敷き積めて
軽くハウス内の土と混ぜて置いています。
全体に乾燥しているようなので、水をゆっくりと撒きました。
石灰は入れていません。

炭素循環農法では。すぐに野菜を植えるように、言っておりますが、植える物が無いので
この状態で春まで置いてみようとおもっています。

1月13日
まーぼう
>りょうすけさん
変化が感じられた畑で出来た野菜は今までと較べてどうでしたか?
石が土まみれでなくなるというお話し、その前の項目の土が早く乾くという点とも関連して、土が団粒化してきたからということでしょうか。
土が団粒化すると雨が降っても野菜への泥はねが減って野菜が汚れにくくなるという話や、収穫したジャガイモに土がべったりとつくという事が無くなるそうです。

雑草を鋤込むとき、その状態で土への影響が違うという話も興味深いです。
若い草と種を付けるような頃の草では炭素比が異なりますが、そういった感じの違いでしょうか。

1月13日
まーぼう
>taipanさん

徹底した土壌改良ですね!

知人で、地面が砂利敷きの園芸用ビニールハウスで生姜やミョウガを栽培している方がいます。
そのハウスには土はほとんど無く、砂利の上に剪定チップを厚く敷いて耕土代わりとしていらっしゃいます。(チップ層の下の方は以前に敷いた剪定チップが分解されて腐葉土状態でした)
そして肝心な収穫物はといいますと、土耕ほど大きなものではないがそこそこのものが採れるそうです。

taipanさんのハウス、今後の経過を楽しみにしています

1月14日
りょうすけ
>まーぼうさん

できた野菜に関しては、まだ大きな変化を感じてないです。
ただ根の様子が違う感じでした。
土の表層に当たる所が、脱脂綿みたいな感じで、細かい根毛がたくさん出ていました。

このやり方を本気で始めた当初はまだ雑草がたくさんあった9月中旬で、できるだけイネ科の雑草を中心に刈り取ってきて半生(自己判断で)にしてから刈り払い機で短く切り刻んで、それまでに草引きをしたのを積み上げていたところのものとまぜて、土と混ぜましたが、これは僕の勝手な印象ですが、数ヶ月露天で積み上げた雑草を混ぜ込むときは、やっぱり炭素比の調整などよく考えて、混ぜ込む必要があったなぁと。

堆肥化してしまっている物や、腐っているもの、水を含み過ぎているもの、ちょうど良いものなどをごちゃ混ぜにするときは、もみ殻ぐらいの炭素比のものとまぜてから、入れれば良かったんじゃないかと思ってます。

それと、現在はもどきさんの次のコメント
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○秋から冬は好気性で低温に強い菌類(糸状菌)が活性化し、土壌中の酸素消費量=餌の消費量が増えます。降雨が少なく土壌水分が減った分、気相が増えるためと低温に弱い細菌類(バクテリア)に邪魔をされない?、などの理由が考えられます。

○冬期(乾期)は土壌中の気相が増え、好気性で低温に強い糸状菌が活性化。除草や中耕だけでも、有機物の消耗が起きます。対処法は正反対で餌の大量投与です。
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これを読んで、じゃ冬に水分調整しながらエサの大量投入をしたら、糸状菌中心に元気になってくれるんじゃないか、そうすると土中の食物連鎖は春に向けてかなりいい状態に持って行けるんじゃないか、ついでに土壌環境の浄化が進むんじゃないかと思い、真冬に露地で種まきや苗の植え付けをしたこともないので、とにかく、作付けしないで手に入る高炭素資材を手当たり次第いれてみたらどうなるかを観察しています。

あったのはもみ殻(1トン/無料)マッシュルームの廃菌床(500キロ/2千円)、それと竹チップをシュレッダーを仲間と共同でレンタルして作ったもの(1トン1万円)を10月中旬から手に入り次第投入してます。

それと、今月から隣の市でエリンギなどを菌床栽培されてるおじさんから廃菌床をもらえるようになったので、それも手に入り次第投入して行こうと思います。

今、混ぜ込みの時に広葉樹の森の地面を掘ったときのような臭いがしてくるようになってきてます。

10ミリ前後の降雨では降ったかどうか分からない感じです。
ただ、毎日霜柱がすごいので、これはかわいそうなのかなと思っています。

とりあえず、表層の炭素資材の割合をもう少し増やしてどうなるか見てみたいと思っています。

それと、越冬する野菜がいくつか残っていて、そこに後から追加投入するのは手間です。
なんだか込み込みで植えちゃったので、思うように混ぜられずに、とりあえず表面に敷き詰めて、徐々に混ぜていってますが、どんな答えが返って来るのか全く想像がつきません。

1月16日
まーぼう
>りょうすけさん

かなり徹底した土作りですね!
冬の間の土作り大作戦、どういう結果をもたらすか非常に興味深いです。

冬は細菌の活動が低下して糸状菌が優勢という条件ということは、土壌中の有機物が腐敗しにくいという事ですね。

私は炭素循環農法を知る前は、炭素比の低い有機物(米ぬか・油かす・畜糞など)を使ってまして、気温が上がる7月辺りから10月過ぎぐらいまで虫との戦いでしたが、気温が下がってくる冬期は虫も少なく野菜の味も良かったのを覚えています。
これは一般的には「低温のために虫の活動が鈍るのと、野菜が低温対策として糖分を蓄えるため」と説明されたりしますが、今これについて考え直してみると、どうも理由はこれだけではなく、土に入れた有機物が腐敗分解になりにくいといった環境がより大きな原因のような気がします。

自然の仕組みという視点から色々な現象を観察すると、今までとは違った仮説が出てきて畑仕事がまた楽しくなります

1月30日
りょうすけ
現在、転換初期に当たる僕の畑の様子をYouTube(ぼなぺちTV)で配信していますが、映像で語れる部分(言語化、視覚化の可否よらず)とそうでない部分があるなぁと思っています。

僕は意図的に転換期の導入を春夏ではなく、秋冬にしました。
理由は上の僕の投稿にあるようなことを考えてのことですが、本格スタートから4ヶ月が経過し、色々なことが分かって来ました。

ただし、作物の生長に関することでは無く、土中の状態に関することです。
高炭素資材投入後に作付けをしていないので、根っことの協調による変化ではなく、あくまで高炭素資材がどのような変化を引き出すかということです。

まず、炭素比50以上の炭素資材のみの投入は、微生物叢が脆弱で気温が低いと糸状菌の繁殖は見られないということです。
ただし、炭素比40~50ぐらいで糸状菌が既に生きた状態で炭素資材を抱き込んでいるもの(廃菌床やはんぺんなど)を同時に投入することで、短期的に解決できるようです。ただし、10月上旬に雑草を、土:雑草が6:4ぐらいの比率で管理機で混ぜ込んだ所は、今は太く硬い茎の部分が少し残っているだけ(しかし残っている部分は、イネ科であれば100%糸状菌によりガードされている)になっていました。

それから、僕の地域のように冬期乾燥する地域では、有機物で薄くマルチをするなどしたほうが土中の環境には良さそうです。しかし、この場合、投入する資材の量は10月までなら、質と量をよく考えて投入しないと春困るかもしれないように感じました。

今回の経験で僕の圃場の場合、10月の投入時に土:雑草の比率を3:7にして、管理機で混ぜないで、ミルフィーユのように層状に資材と土を重ねた方が良かったんじゃないかと思っています。

まだまだ転換期は始まったばかりなので、気を抜かないように観察を続けたいと思います。

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