総合解説

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目次
◎ 「炭素循環農法」講座
①  津島市の会での林さんの話の要点      稲垣 正貴   09.4.3
②  仙台での林さんの話            小林 康雄   09.4.25
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◎ 「炭素循環農法」講座

「炭素循環農法」の理論と実際を、いろいろな角度から、総合的に解説したホームページ。
「炭素循環農法」講座 http://tan.tobiiro.jp/

人間の側、過去の側からではなく、自然の側、未来側から導かれた、科学としての自然農法の真髄を解き明かしています。

「炭素循環農法」を実践・検証しようとする方、あるいは、すでに実践している方がが、繰り返し読めば、新たな発見ができるでしょう。

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① 津島市の会での林さんの話の要点     稲垣 正貴      09.4.3

有機物の年間施用量は100トン/ha

・有機物の施用で土が黒くなってはいけない
有機物を入れて土が黒くなるのは分解がきちんとされていないからである。

・虫が食うのは肥料が効いているため
深いところの浄化が不十分だと生育後期で急に虫にやられたりする。

(根が深くに伸びると深いところにある肥を吸い上げるため)
平地は傾斜地にくらべて浄化に時間がかかる。

有機物は土に触れないと土は良くならない
・転換2年間は葉菜のみにする
但し、趣味の菜園は別。
白菜の方がキャベツより早くできる。
(表面のトゲが虫を遠ざけるからか。)
害虫ははじめは幼虫で、土が良くなってくると成虫が主になり、最後に何もいなくなる。
幼虫がいるのは土が腐っているから。
ヨトウは最初にいなくなる。
ミミズも同様にいなくなる。

・果菜類は実の中に入る虫がいたら失格

・炭素循環農法による生産量は慣行の2~3倍
米なら10俵以上採れて当たり前。それ以下はまずい米。
「沢山採れる」という点が重要。

ハーブと野菜は一緒に作ってはいけない
ハーブは土が肥えたところに植えるとクセが抜けて野菜になってしまう。
ハーブは畑の端の痩せたところがよい。但し。肥料分があってはならないのは他と同じ。

樹木はハーブと野菜の中間
樹木は土をあまり軟らかくしても良くない。

分解しにくい有機物は深く入れない
土が乾燥してしまうので浅く入れること。

高炭素資材の発酵はキノコの培地化が目的
これは未使用の菌床をつくる作業である。
鋤込み深さは5~10cm程度。

ダイオキシンはキノコ菌の好物
ダイオキシンは元々自然界にあったもの。

畑に入れていいのは野菜が直接利用できないものに限る
直接野菜が使えるものは肥となり、バランスを崩すからダメ。

・発酵に必要なものは窒素と糖
糖分も重要な要素。
キノコ菌の初期繁殖には米ぬかが一番向いている。
但し、これらの資材は畑に入れる段階では使い切ってないとダメ。肥となるから。

・土を良くするには野菜にも手伝ってもらわないといけない
根の力が必要となる。

・長年放置の畑はいきなり大量の有機物を入れても良い
転換畑の場合は2年目の後半くらいから大量に入れる。(収穫間際に虫に食われる頃)

・痩せ土は塔立ちが早くなる
種とりは痩せ土の方がよい。
土が肥えてくると花をあまり付けなくなる。

・使う種子にはこだわらない
在来種は痩せ土でも出来る。
改良種は汚れた土でも出来る。(耐肥性が強  い)

・石灰などのアルカリ資材は施肥のための技術であって、炭素循環農法には必要ない

・(林さんは)野菜を作らないからこそ色々と分かる
人の役目はそれぞれ違うのだからそれでよい。

・糸状菌と細菌の関係
糸状菌・・・団粒形成           細菌・・・・団粒分解。

・土壌中に微生物が増えたらエサ切れが深刻な問題となる
土が良くなると悪くなるのも早い。
冬もきちんとエサをやる。
秋にたっぷりやっておかないと、糸状菌は冬も活発に働くのでエサ切れになる。

・キノコ菌のエサやりは年2~3回以上
年2回だと大量にやっておかないと途中で不足する。

・キャベツの芯が木質化するのは肥料分を吸ったため
肥料分を吸うと導管が傷つき木質化する。木にしてはいけない。

・畑の外観(見た目)は慣行と同じようになっているのが最高
土の表面を覆ったり等が必要なうちはまだまだ。
土が出来てくると表面が裸でも泥ハネしたりしない。

・少しでも自然に手を入れたらそれは「不自然」である。但し、「反自然」でなければよ い。

・自然農法(炭素循環農法)は時間勝負である
いかに作付け回数を増やして回転を上げるか。

・畑から持ち出すのは食べる部分のみ。病気や虫に食われたものも土に戻す。
病気や虫にやられたものは「土に返せ」という意味。

・肥と殺し以外は何でもあり

2010-02-27(23:11)

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