概要
たんじゅん農法は人間が積極的に微生物を増やすことにより、作物が無施肥・無防除でできちゃう農法です。
特徴として、
- 美味しい作物ができる
- 長持ちする作物ができる
- 豆科以外は連作できる
- 畑にいつも作物を植えておく(畑を休ませない)
- 狭い株間でもできる
- 作物が早く成長する
- 旬が長くなる
- ほとんど草が生えなくなる
家庭菜園から数万ha以上でも適用できます
単一作物栽培もできます
ハウス栽培もできます(転換が露地より早くできます)
そのため、いろいろな良い点があります。
- 手間がかからない:施肥計画不要、施肥・防除・除草作業不要、毎年同じ作付けもでき、作付け計画簡単
- お金がかからない:肥料農薬不要、炭素資材は処理に困っていて安価に入手できるものを使う
- 収量は慣行農法以上
原理
・なぜ無施肥で作物ができるか?
必要なものは微生物が供給してくれるからです。
炭素の供給量に応じて微生物相は豊かになり、バイオマスが増大します。豊かな微生物相が有機物の処理能力を更に高め、微生物から供給される養分だけで、施肥栽培並み(以上)の生育に必要な養分供給が可能になります。
・無防除(無農薬)なのに作物が害虫や病気でだめにならないのか?
土の中が微生物で多様になると、地上からは作物と僅かな雑草を残し他の全ての生き物が消えます。
消える生き物の中に害菌、害虫、害鳥・獣も含まれ防除は不要になります。
方法
「実践者が増えれば手本通りにすればよい。単にそれを真似ねるだけでよい。」のですが、まだまだ実践例がたりません。
個々の実践者の方法は紹介コーナーから観ていただくとして、ここでは現在多くの方がやっている方法を紹介します。
微生物を増やすには土に空気を入れることが必要です。
水没すると呼吸ができず、死んでしまいます。微生物の死骸は窒素肥料と同じ作用をして、土が腐敗して悪い影響がでます。
そのため、排水の良い畑にします。
1.畑の状態を調べる
まず、畑を掘ってどのようになっているか確認します。
深さ20~80cmは腐敗硬盤層が出来る所です。硬い板状の層や腐敗臭がする層がないか確かめましょう。硬盤は色の違い、温度の違いなどでも確認できます。
もし水がわき出るようだと排水対策が必要になります。
雨の日に穴の中の水がどのようになるかも参考になります。
2.溝を掘る
硬盤以上の深さの溝を掘ります。
トレンチャー、バックホーなどの機械を使うと便利です。
3.溝に有機物を入れる
溝に剪定チップ、木の枝、竹、草などの有機物を詰め込みます。
これが微生物のエサになります。
外から持ち込んだ方が効率的ですが、手に入らなければ緑肥を栽培して利用します。
溝と溝との間が作物を栽培するウネになります。
4.ウネに種をまいたり、苗を植え付け、通常の栽培をする。
特に変わったことはしませんが、水やりには注意が必要です。
微生物が溺死しないように、なるべく控え、普通は最初だけ水やりします。
5.結果をみます
最初は、ある株がだめでも隣はだいじょうぶという、出来具合にむらがでることが多いです。虫がついたり、病気になったら、そこの土に何か課題があります。
注意して観察してみましょう。
実践者の記録の中に参考になるものがあるかもしれません。うまくいったら、その状態が続くように、微生物のお世話をしましょう。
ペットと同じで、いったん飼い始めたらエサを続けてやらないと死んでしまいます。
また畑の状態は常に変化していますので、同じ事をやったから同じ結果が得られるとは限りません。
普通の株間で普通より大きな作物ができたら、株間を小さくすれば収量が上がります。
(例えば、株間半分なら、収量は倍)
葉物などで、普通より早く成長したら、収穫後すぐ次の作付けをします。
(例えば、収穫期間2/3になれば、収量1.5倍)
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