11月に入って、冬の気配が、風に感じられる。
そろそろ薪ストーブの薪を準備しないと、薪が乾かないなと、考える。
畑に行って、堀り残していたサツマイモを掘る。
土がホカホカになると、掘るのも簡単。いい形のきれいな芋が出てくる。
掘った後は、レーキで、軽く均すだけで、次の畑の準備ができた。
こんなことでいいのというぐらい、楽だ。
器械はいらない。これでは、農機具やも、なにもかも、あがったりだ。
畑は、一向に冬の気配が感じられない。
あちこち全国をうろついていて、畑の作物の世話は遅れ遅れだが、作物はますます元気。
ダイコンは、足よりも太いのができているが、肌もきれいで、巣が入っていない。
煮えるのも早く、柔らかい。味がいい。
キャベツ、白菜、ブロッコリーも、大きくはないが、虫もいなくて、きれい。
ネギも、大きくなり、下仁田ネギは、太さが4cm以上になり、甘い。
トウガラシは、いまだに花が咲き続け、実がびっしりなっている。
野菜を料理してみると、ダイコンも白菜もニンジンも、豆もジャガイモも、なにもかも、甘いので、少し砂糖でも足して煮たのかと尋ねるほど。白菜に油揚げを入れた煮びたしは、どんぶり一杯がぺろりとなくなるぐらい、おいしい。毎日食べても飽きない。
それと、豆も、なにもかも、早く煮える。それも、かなり早く煮える。少し、固めが好みなので、つい「煮過ぎたね」といいたくなるほど。
ダイコンは太くなると巣が入りがちだが、足ぐらいの太さでも、それがない。
もともと野菜好きだが、セロリ、レタス、生姜は好きではなかった。ところがところが、この農法に代わって、好きになった。あの何とも言えない苦さが、そのものの味としていたが、じつは、腐敗の味だったのだ。レタスを酵素玄米ごはんを包んで食べるのは、とてもおいしい。腐敗に虫がつくのは当然。腐敗でなくなると、野菜に虫は付かない。
子どもの野菜嫌い、アレルギーの方の食事も、虫のつかない野菜を育てることで、解決するのではなかろうか。もちろん、どちらを育てようと、自然は何も言わない。ただ、腐敗のものは、早く分解して、自然のピラミッドの底辺に戻そうとしているだけだ。
ミニ交流会を開く
静岡・遠州での、「たんじゅん農法」実践者ミニ交流会を、11月23日に開く。東京や埼玉、兵庫や三重からも参加者。この農法は、常識では理解できない。今の農法が、すべて、施肥農法だから、無施肥農法なんてできないとしているからだ。
実は、施肥農法は、人間の側からの農法。無施肥農法は、人間の側からではできない。だが、自然は当たり前にそれをやっている。「たんじゅん農法」は、天然・自然の側からの農法。
不揃いが転換の目安
この3月から始めた、この農法、その前の年と比べて、あまりの違いに、いいことばかり目についた。それは、昨年まで、虫と草に悩まされただけに、そして、土の固さに野菜の出来の悪さを押し付けてきた反動であった。
じつは、虫も草も、そして、土にも、その責任は全くなかった。
問題は、人間の側だけにあった。腐敗の環境を用意すれば、そうなるのが、自然・天然と知ったこの1年。
そこに気がつくと、畑の白菜やブロッコリーの育ちの不十分さと不揃いが見え出した。欲なものだ。
だから、進歩があるのだろう。
でも、この育ちの不十分さと、不揃いは、施肥農法から無施肥農法への転換期の通る道らしい。
いままで、人為的な施肥に頼っていた栽培から、天然の働きにお任せするわけだから、微生物や剪定チップが、協働して働きだすには、仕組みの変わり目、時間がいる。
気の短い方は、この段階で、「追肥」してしまうそうだが、それでは、元も子もない。施肥農業への逆戻りだ。不揃いは、天然農法への一里塚、いや、五里塚とみれれば、来年に向けて、楽しみな兆しと観えよう。ありがとうございます。
寒くなっても、糸状菌は働いているそうで、エサは欠かせない。
相変わらず、およそ2月に一回は、反当たり、2トンぐらいの剪定チップや廃菌床を、手に入った段階で、手で撒いている。
寒くなると、白菜もニンジンも、そして、ネギも、さらに、甘くなる。
チップだけで畝を積み上げた手抜き栽培ネギ 畝を手で掘ると糸状菌が一杯
タクワン用ダイコンの葉を食べる庭とり 硬い田んぼの土に菌床で育ったニンジン
ダイコンは、大根サラダや、大根おろしのお茶、おでん、そして、タクワンにと、用途は広がる。
ニンジンは、煮物、ジュース、サラダと、これも、ありがたし。
正月は、これだけで、ごちそうだ。
来年の畑がどうなるか、楽しみな新年を迎える。
昨年までは考えられなかった畑だ。
みなみなさま、菌、野菜、水分、空気、…そして、たくさんの方々、ありがとうございます。
Comments are closed