・3年放置を頼まれる
5月に、お世話になっている近所の方から、田んぼが2反、3年使ってないので、使ってくれないか、と声をかけられた。
すでに、今年は、3キロ離れた田に0.7反植えたところだし、2反とは広すぎるなとして、一旦断ったが、家から1キロの地元のことだし、半分稲を植えて、半分何かにしようかと、引き受けることにした。今年植えた田は、2年目だが、やめることにしよう。
この秋から、「たんじゅん農法」で、一からスタートだ。
2反というと、確かに広い。草だらけだったところをざっと刈ってはあるが、根っこは残っていて、また生えてきている。
借りた土地の上と下は、田植えが終わったところ。
こんなところを、畑や田にしていくのは、この10年、そればかりやってきたから、いや、そんなところしか、貸してもらえなかったら(^-^*)もあるが、元々、やりがいを感じる。
6月になって、草刈り機でもう一度刈りなおし、耕運機で起こした。
来年まで放っておくのも、もったいないと、全体の1/6,3畝を畝立てし、畑にした。
7月初め、その半分に、大豆を植える。
大豆の苗は、昨年と違って、ふつうの畑に、菌床を撒き、その上に、パラパラと大豆を撒いて、パタパタと叩いて、鳥に食べられないように、ネットでカバーしただけで、1週間で育てた。
本村博之さんの考えの応用だ。大豆の種子根だけが伸びている。
しっかり、細根が土をつかんでいて、いい苗だ。
とはいえ、用意した田の畑は、数cmのゴロゴロ土。固い。「こんなところで?」と、近くの老夫婦がのぞきに来る。はじめ、除草剤を撒きなさいと教えてくれた、<とても親切な>夫婦だ。ハイっと言いながら、無視してやっているが、それでも、気になるみたい。
「ハハハ、シロウトだからね、どうなるんでしょうか」といいながら、じつは、自信満々。菌ちゃんが何とかしてくれるわと。
そのかわり、苗のまわりに、菌床をしっかりかけてやった。「頼むよ」と。
8月なかば、大豆は、さすが、元気に、荒い土の中でも、しっかり育ってきた。窒素固定菌も、ちゃんと働いている。花目も、多い。節間も短い。上出来。
ここまでは、当たり前だろう。ここで引っ込まないのが、素人、田舎モンのよさ。このゴロゴロ土に、ニンジンを蒔こうというのである。
大豆なら、強いし、苗もしっかり。しかし、ニンジンは、タネも小さい。芽が出にくい。ふつうの土でも、生育がむずかしい。
それを、この畑で????しかも、ここのころ、8月に入って、雨がぴたりと降らない。ますます、ゴロゴロ、カチンカチン。
どうやって?!
だから、面白い。まずは、ゴロゴロのところに、上の写真のように、菌床を撒いた。そして、足で踏む。その上に、1日水につけてから人参のタネを蒔いた。足で、踏む。8月21日。
それからも、雨が降らない。毎日、朝晩、水を運んでは、じょうろで水やり。第一回の種まきは、ほとんど芽が出なかった。
2週間後、もう一度、同じように、タネをまく。今度は、二日タネを布の上で湿らせてから、蒔いた。
今度は、少し発芽した。それでも、少ないので、さらに2週間後、3回目を、発芽していないところに蒔く。
5月から、毎日のように出入りするようになった花婿探しの娘さんが、水やりを続けてくれたおかげで、記録的な日照りが続いたのにもかかわらず、写真のように、ニンジンが育った。
疎らだが、なんとか、今年も、おいしいニンジンがいただけそうだ。いや、昨年とは違って、もっとおいしいかな。
大豆も、実が膨らみ、立派に育った。実が鈴なり。味噌用にするが、秋の枝豆は、夏のより、味がいい。初収穫をして、味わった。
甘味が深くて、菌床撒きの成果が表れていた。おいしい、おいしいと、ボールいっぱいの枝豆を平らげてしまった。
もちろん、いろいろと心配してくださった、畑の側の、老夫婦にも、枝豆を届けた。
「よう出けたね、人参も」と喜んでくださった。
ありがとうございます。
* * *
学校に接した、子どもたちのためにと、用意した畑、トマトは雨除けのカバーもしないのに、立派に育った。ここのトマトが一番味がよいとは、本村さんの言葉。
その畑に、子どもの姿がまったくなかった。それが、サツマイモができたから、もしよければ、どうぞと、学校に声をかけたら、二日にわたって、2年生と、3年生が、収穫をした。
サツマイモの育ち方と食べ方も話す。イモだけでなく、葉や茎もと。
「めっちゃ、楽しかった」との感想。
近所のおばちゃんたちも、楽しそうに見ていた。
ありがとうございます。
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