2月10日の「いいジャン 2月定例会」は無事に終えることができました。直前キャンセルもあり当初予定15名、2名キャンセル、1名飛入り。都合14名の今回も大人数定例会。今回は北海道から柳谷さん、地元磐田市から中野さん3名(夫婦と息子さん)の4名が初参加でした。
今月も実に多彩なメンバーで多くの問題について、それぞれの立場・立ち位置から意見交換をしてもらいました。

今、はっきりと記憶にあるものだけでも4~5つと思い出されます。

平田さんの畑
自分の畑の道路を挟んですぐ脇にある溜池の水が道路の下を流れて(浸みてきて)畑の排水工事がすでに実施されている。
多くの参加メンバーの意見は「最寄りの条件のいい場所に移したらどうか」しかしとてもとても愛着があるのでしょうね。条件が悪いと承知していても、その畑を手放すのはできないとおっしゃる。平田さんの畑を水谷さんが見学に行ってきたようだ。前回からこの問題はなかなか解決はしない問題でしょう。
中野さんのお茶
初参加の中野さんの先代が、磐田原台地に入植開墾した畑だという。先代の頃は化成肥料も農薬も使っていた慣行茶園だったそうだ。ご主人は会社勤務だったので奥さんが畑を引き継いだ。それから何も教えてくれない指導者のもとで無農薬のお茶を栽培、出荷していたようだ。今回初めてのいいジャン会参加。あまり個別に意見交換できなかったけど、芯の強い方だと拝見した。今回はご主人や息子さんと3人で足を運んでくれた。また一つ貴重な目が授かった。帰宅後も井中門さんにお礼の電話が入ったそうだ。
貴重な目;我々の目は15cm位だけど離れたところに2つの目がある。この2点からモノを見るから遠近感がつかめて立体感が認識できる。我々も一人でモノを見ていると真実が見えなかったり、思い込みがあったりする。しかし2人で、3人でモノを見て意見交換するとモノの真実が見えてくることを、いいジャンで体験し、勉強してきていると思う。自分だけの見方は大変心もとない。しかしこのメンバーで話し込むと別の見方に気付かされる。
中野さんも加わってくれるとまた別の見方をしてくれるメンバーが増えることになる。頼もしい限りだ。
硝酸態窒素の問題
どこからか硝酸態窒素の話となり、発ガン性含有物として怖いというような話が出た。その話に乗って私が付け加えてしまった。お茶栽培では畑に窒素を「硫安」とかいう形で大量に入れていた。国内に流通するお茶をヨーロッパに輸出しようとすると、硝酸態窒素の含有がECの基準超えとなり輸出できなかったという話をしてしまった。井中門氏は硝酸態窒素があっても特別な問題ではない。微生物により分解されれば問題にならないというような話をされた。人間基準と自然基準の話だ。その話を聞いて、私もおう!そうだそうだと気付かされる。ここがいいジャンの意味というか、本質だと認識している。話を聞いている私は人間であることを忘れて、人間基準に立って聞いていた話を披露する。そこにそれは自然基準なのか?と水を掛けら目が覚める。そんな繰り返しだ。でもこれを繰り返していると冷静に話を聞けるように訓練できる。
それぞれ意見を述べるが、否定をしない、意見や発言者を排除しない。違う意見には攻撃したくなるがそれはしないというルール。メンバーが何気なく口にした一言で目から鱗ということだってある。それはいつも同じような考え方の者同士ではあまりない事だが、付き合ったこともない者の話などから、そんな見方もあったのか、複眼的なモノの見方のいい例だろうと思う。
酵素の話
モノの一面だけを見ていたら見誤る、自分の常識は少数派で(実は常識は非常識だった)世間には多様な見方や受け止め方がある、正解は一つではないというのが現時点の私の見方(仮説)。酵素の話もこれを深く考えさせられた。
自然農では窒素を入れないことを憲法のように守ろうとするし、私もそういう傾向が強かった。白黒はっきりさせたっかった。正義と悪ははっきり線を引ける、引くべし。マニュアルを作成して問題があれば訂正修正をして完成度を上げる。 というような思いがかつては強かった。
たんじゅん農は何でもあり。目的は窒素を入れない事ではなく、エネルギー(?)を取り込んだ野菜が育つように手配をすること。そのためなら何でもあり。
今回、蕎麦や緑肥でさえうまくできない畑が目の前にある。原因はいろいろあるだろう。一つ一つ原因を取り除く手法もあるだろうが、短期間で改良させる方法を試そうとしている。井中門氏は鶏糞や牛糞、更には酵素と呼ばれる資材を使おうとしている。自然農からたんじゅん農に興味を持ってこられた方々には、何をするのかと思う方もいるでしょう。私も当初人間基準からそう思った。
しかし彼は全国の様々な事例や経験を聞く中で、野菜がエネルギーを取り込みやすくなる環境を作ることが目的なので、その観点で良いと思われる手法を何でも試そうとする。何が良いか悪いか自然が「作物の出来」という形で答えを出してくれる。
酵素 ;生体内のほとんどの化学反応の触媒の働きをするタンパク質主体の高分子化合物。

担当 ;山本(井中門宅の定例会風景;逆光で見づらい写真でごめんなさい)

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