「炭素循環農法」とは何?
学研『野菜だより』 2010年新春号 47Pより
手のひらの上で
だれしも、安全で、おいしくて、健康になる、野菜を食べたい、育てたい。
だがしかし、
自然と離れて、野菜はない。
人間の前に、自然があり、
人間の中に、自然がある。
自然の力で、野菜が育つ。
人間は、自然法則の手のひらの上で踊っている。踊っているのも、自然の力。
自然も、人体も、自然の法則に沿って動いている。
自然の法則に逆らって動くのは、人間の頭の中だけ。
野菜が虫に食われるのも、自然の法則に従っている。
それを、人間の側から考え、悪戦苦闘している。近代農業も近代医学も、もがいている。
だが、その難問も、自然の側から観れば、そうなるように、人間がしているだけ。明快、矛盾なく、解明される。
自然の法則から外れているから、複雑、頑張り、矛盾になっている。
発酵型と腐敗型
自然の仕組みは、命の大元の力で動いている。
命は、共に、発酵しながら、
命を組み立てていく。発酵は生の過程だ。免疫力を培う。
自然界のピラミッドの頂点にある人間は、多くの命の発酵によって、生かされてある。
命の力の弱ったものは、自然のピラミッドの底辺、無機物まで、虫や微生物によって降りていく。腐敗は死の過程。
それが自然の法則。
虫がつく野菜は、腐敗している。食(人に良いと描く)べ物ではない。その土は腐敗し、ミミズがわいている。
発酵型の畑では、野菜に虫がつかない。元気。おいしい。たくさんとれる。
野菜嫌いの子どもが、アレルギーの人も、発酵型の野菜を食べて、おいしいという。
腐敗型の食べ物を食べ続けると、体が腐敗型になり、現代病の一原因となる。
虫や子どもが、どれが「食」べ物か、教えてくれている。
自然の法則に沿えば、作物は、人に良い食べ物になり、虫もつかず、おいしく、しかも、たくさんよくできる。世界中の人たちが食べていける量が生き生きと育つ。
それが、ほんとの自然な姿で、貧弱なものに我慢するのは、自然でなく、反自然。
高炭素資材と糸状菌
堆肥・肥料が腐敗型の土を作り、土を硬くする。
肥料を使わず、発酵型にすると、土はホカホカになる。
畑が腐敗型になるか、発酵型になるかは、畑に入れるものの、炭素CとチッソNの割合が影響する。
化学肥料や堆肥、ぬかは、炭素に対してチッソの比が大きい。すると腐敗型になる。
炭素がチッソに対して多いもの(高炭素資材)を、畑に与えると、発酵型に変わる。
高炭素資材は、木のチップ、木の葉、半乾きの草・野菜・・・。
それで、野菜が育つ。しかも、おいしく、虫がつかない。
ポイントは、腐らせない、5cm以上深く混ぜ込まない。
ただ、それらを畑に撒くだけでは発酵は遅い。養分にする多様な微生物が必要だ。
特に、糸状菌は、発酵の決め手になる。キノコ菌や山で見る白いハンペンがそれだ。
高炭素資材と糸状菌、その二つを与えれば、発酵型の野菜が生き生きと育つ土になる。
虫がつかない、草が変わり、草が減り、やさしい草が生える。どんどん野菜ができる。
この自然の側からの原理に基づく農法を、仮に「炭素循環農法」と呼ぶ。
くわしくは、
「炭素循環農法」http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html
「たんじゅん農を楽しむ広場」http://test.tanjun0.net/
2010-02-27(23:35)
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