「苗植えも空気を」
・・・ 実験の提案  ( 自然が先生、人間の考えは仮説 ) ・・・苗の黄化は、チッソ不足でなく、空気不足。<スーパー ドライ>への道を。

課題
たんじゅん農法の試行者から、つぎのような問題が出されている。
苗を植えたけど、しばらくすると、葉が黄化した。チッソ飢餓だと言われる。
これは、転換期として仕方がないのか。
土が良くなるまで、待つしかないのか。何か、対策はないのか。

目的
人間を先生にする農法から、自然を先生にする、宇宙の法則に沿った農法に転換する。
自然はその通りに、答えを出している。真理は、単純、明快、矛盾なし。

チッソ飢餓は、施肥農法(水に溶ける肥料を人間が与える農法)の場合に起きる。
肥料、特に、チッソが抜けない段階では、土壌中に、多様で活性な微生物層はできない。
チッソは、バクテリアの繁殖を促すが、菌類(糸状菌など)を消滅させる。

無施肥農法(多様で活性な微生物層を人間が飼う農法)では、無縁。
チッソが必要であれば、空気(チッソ)さえ入れば、それを取り込む微生物が活性になる。
ただ、無施肥の土壌で、まだ、微生物層が育っていない(多様化活性化してない)場合、空気が少なく、転換期には、苗を植えても、生育に必要なチッソが十分に供給されず、黃化するのではないか。

そうであれば、施肥から、無施肥への転換期の場合、苗の問題に限れば、
つぎのような仮説で、微生物飼育係は、苗に実験してみては、どうか。

仮説
0)苗の段階であれば、過酷な条件でも、自在に生きる力を持っている。それを活かす。
若いほど、生命力に富む。生命力とは、命を、発酵の力で取り込むこと。
ただし、発酵にするには、何よりも、空気が十分に入る環境を用意することが飼育者の役割。

環境さえ整えば、微生物層は、急速に、多様性と活性度を増す。それが自然。
微生物層と苗は、共生して、自在に生きる力を発揮。それが、生命の力。発酵は、宇宙の法則。

畑全体では、まだ、転換ができていなくても、苗の周りだけでも、発酵環境にすることはできる。
そうすることで、未来側から見れば、畑全体を発酵環境にする速度が早められる。

そんな未来側に立てば、苗の黃化に対して、つぎのような仮説が考えられる。
1)苗が施肥の床土で育てられた場合
(市販の苗を買った場合、あるいは、市販の苗床で苗を育てた場合)
苗は、肥料に頼って育てられている。肥料は、水に溶けてこそ、吸収される。
当然、水に頼って、育てられている。
無施肥の土壌に、その苗を植えれば、チッソ不足で、育たない。水をほしがる。
たとえ、水をやっても、水に溶ける肥料は、土壌にはない。

だがしかし、苗の段階であれば、無施肥の土壌と苗とで、共生する環境を急速に作る力がある。
成長に必要なチッソぐらいは、微生物で、つくれる。
それには、肥料を切る、空気が十分にあることが、ポイントになる。肥料と水が邪魔になる。

ポイント1:定植した苗が、自ら、根を、無施肥の土壌に伸ばさせる。
・苗が、無施肥環境に早く順応するために、定植する2,3日前から、水をやらない。
・定植の際、定植する穴に、あらかじめやる。あるいは、雨のあと、定植する。
・定植後、水を上からやらない。
・定植の際、苗の土は、半分ぐらい、ふるい落として、植える。(あるいは、根の下半分を切る)

ポイント2:浅植え、斜め植えで、空気を十分に。(参考 現代農業 12年4月号 苗特集)
・ 穴を掘って、苗を植える際、半分だけ、土に入れ、浮かせる。
・ それでは、苗が支えられないので、斜め上にする。(トマトは、横植え)
・ それにかぶせるものは、チップ等、空気の通るものにする。土はかぶせない。
・ かぶせるものは、天候を見ながら、乾燥させない程度に、薄く。

要は、苗の新しい根のまわりだけでも、微生物層を豊かにすること。
それがタネになって、新たな世界を広げていく。

2)苗のづくり
はじめから、無施肥の苗つくりをすることはない。
そのうち、苗を、無施肥、または、少施肥の苗床で、育てる必要ができる。
その苗床として、つぎのものが、使われて、試行されている。
各地で、手に入るもので、やってみている。
・ ヤシガラと廃菌床、1:1
・ 半年以上、野天に積んだ蕎麦殻
・ 一年以上、野天に積んだ籾殻(色が変わって、菌が周り出したもの)
・ クンタンを発酵させたもの
・ 竹のチップ

田舎モン(2012.5.17)
tanjun5s@gmail.com

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