ブラジルのたんじゅん農法の実態を研究する研究者の会が、5月7日 茨城・つくばで、開かれた。

筑波大の田村准教授と大学院生、国際農林研究センターの小田さんら、10名。
微生物多様性・活性度の分析研究をしているDGC総合研究所の櫻本さんと中央農研の横山さんも一緒でした。

林さんからの報告
「ブラジルでの、大規模たんじゅん農法によるサトウキビ農園の土壌改良」

  • この1,2年で、80cmの深さまで240馬力のサブソイラーで破砕し、同時に、サトウキビの残渣をかき集めて、土に混ぜ込む機械が開発され、大規模に、たんじゅん農法がやれるようになってきた。しかも、苗が、いままでの10分の1の量で、機械植えできる、などの技術も確立してきた。
    (サブソイラーは、1年目だけ。炭素資材は、サトウキビ残渣だけでいい)
  • ブラジルでは、雨が降るたびに大規模な土壌の流亡と、河川の汚染が当たり前であったのが、
    それによって、雨が流れず、地下浸透するように、ほぼなった。
    同時に、たんじゅん農法1年目から、慣行農法の20%増しの生産性があがり、永続可能な農法として、大企業が目をつけて、スタートしている。
  • それには、ホベルト・ウラさんという日系二世の方が、30年以上試作をし続けてきた大型農業機械が活躍している。それは、大規模に深土を破砕し、有機物を土中に鋤込む機械。
    今まで、ほとんど振り向かれなかった機械だが、たんじゅん農法との出会いで、ようやく日の目を見て、今年は、機械生産に追われるようになっている。
  • たんじゅん農法の実践は、日本では集約的農業で、ブラジルは、大規模農業で、成果を上げてきている。

地球の縦の軸で、展望が開けてくれば、次は、・・・。

熱帯地方から温帯にかけて、大規模農地があるが、生産性は低い。食料が自給できず、戦争が絶えない。
ブラジルで、生産性の高い、しかも、永続可能な農業が広まれば、どこでも、環境保全型の大規模な農業が可能になり、食料問題が解決する可能性がある。

ということで、国際的な立場からも、たんじゅん農法の実践に、研究者も注目してきている。

つくばの研究グループは、11月に、10日の日程で、ブラジルのサトウキビ農園、中村農園など、たんじゅん農法の実態を、科学者の立場から調査する予定。

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