新しく写真に説明を加えました。

5月19日    静岡・浜松 実践者の集い
1)馬淵農園  ≪写真≫

25年以上の専業農家。多種品目宅配。たんじゅん実践歴4年目。チップと菌床併用。最初の年は、チップを厚く敷き、まったくといっていいほど、収穫ができなかった。その後、菌床と併用し、また、昨年からは、排水をよくし、畝を高くする、マルチをするなどして、空気を入れた。サツマイモ、ヤマイモ、玉ねぎなどは、よくできるようになった。今年は、かってない大きな玉ねぎが収穫できた。土の水はけがよくなり、高収穫が期待される。

2)新人3名の農園

馬淵さんのつながりで、昨年から農業を始めた、専業をめざす若い農家3名の、それぞれの畑を見学。いずれも、チップ主体、菌床を補助的に使っての土づくり。2名の畑は、チップが10cm以上の厚さに敷き詰められ、さすが、馬淵さんの弟子だけあるとの声も。馬淵さんから多すぎるのではといわれる。もう1名の畑は、砂地にしか見えないほど、チップ量が少ない。キュウリ、トマト、ナスは直播で芽は出てたが…。これでは、実が穫れないのではないか、農家に学んだらとの声もあった。チップの目的は、微生物の種類と量を増やすこと。そのためには、浅く土とかき混ぜる必要。また、針葉樹のチップは、すぐに、餌になりにくく、微生物の起爆剤として、チッソ資材をわずか使う必要も。ただ、どちらにしろ、人間の考えは一つの仮説。どれがいいかは、「畑が先生」。新しい発見があるかもし  れないので、それぞれ自分の考えで、実験してみたらということになった。夏・秋が楽しみな浜松。

6月4日   三重・菰野、鈴鹿の実践者の集い

1)森の風幼稚園の”農園(菰野) ≪写真≫

たんじゅん4年目。それまで畜糞主体の畑を借りる。幼稚園児の実体験の場。収穫物は給食に。
チップ主体。始め、1,2年は、畜糞の害か、苗が虫に食われ、また、生育が遅い。 昨年、チップをかき混ぜる共に、その発酵を促進させるために、少し鶏糞(熟成)を畝にふりかけた。 今年春、初めて、玉ねぎが一人前に育ち、給食に。イチゴも、子どもの口に入るようになってきた。 「たんじゅん農法を、途中で止めないで、やり続けてよかった。畜糞が抜けるには3年かかるのでしょうか」と嘉成園長。一番喜んだのは、子どもたちと、陰ながら、いつ肥料を入れようかとしていた保護者。

 2)橋本トマトハウス(鈴鹿) ≪写真≫

1昨年から15aのハウスを建て2作目。チップ主体。液肥、土壌改良材を補助的に。ほぼ無農薬。回りが水田。昨秋のゲリラ豪雨の際は、膝まで植えた苗が冠水し、数時間で水は引いたが、その影響が今年初めまで続く。水を基本的に切っているが、味が乗りにくい。 消費者は、おいしいと評判はいいが、まだまだ。7月初めで、収穫を終え、次作の準備。課題は、排水路とポンプの冠水対策。通路に溝を深く掘り、チップで埋めて、空気を畝に入れることで、味のよいモノを。将来は、水はけのよい土地でトマト、今のハウスは水に強い作物をと考えている。

 3)大谷・竹本農園(鈴鹿) ≪写真≫

 

大谷さんは食品残さを有効利用する本職の延長として、チッソの少ない高炭素資材を作り、野菜や米の試験農場もやっている。もみ殻やコーヒーカスの発酵品は好成績。その指導をしている県の普及員の伊藤さんの世話で、若い竹本さんが新規就農。その資材やチップを活かして1年目でナスはチッソを効かせ売れるものを。

 

6月6日   福井・坂井
「耕」農場 ≪写真≫

 群馬でやっていた(株)「耕」の農場を昨年閉めて、2,3年前からやっていた福井の農場を、新たなメンバ  ー4名で今年から始めている。と言っても、実体は、「耕」主の杉田さんが、12ヘクタールの農場を120馬力の  トラクターを使って切り盛りしている。昨年初めに5haを開墾した時に出た灌木はチップ化し、土に混ぜてい  るが、まだ土は固い。土づくり資材は、有機ケイ素系の土壌改良材を使っている。 ジャガイモ1ha、キャベツが2ha、トウモロコシが8ha、どれも、よくできている。大手の買い手がついて  きているという。大手買い手は、企業的にやっている農家を育てることに力を注いでいるようだ。 トラクターに熊手をつけて、草かきを機械でやったり、硬い土を浅く10cmかき砕いて、空気を入れるス  タブルカルチを使っていた。サブソイラーやトラクターだと時速2、3キロだが、スタブルカルチだと、時速  15キロで、しかも、浅く耕せる。たんじゅん農法の大規模農地に有効にみえた。 県の土地公社は、放置された200haの農地を活用する企業の参入を待っていて、その援助で「耕」の農場  づくりは進んでいる。その日も、大手の商社や大阪の同友会が県の案内で「耕」の参観に来ていた。 杉田さんは、「群馬に比べて、福井は仕事がやりやすい」。また、「最近は、ビジネスとしての農業と趣味(ライフスタイル)としての農業のあり方に明確な線引きが出きそう。今までは両方を混同していたが、はっきり  と区別し両立していこうと思う」とも。 大規模農をライフスタイルとして楽しむ。こだわらない生き方。今後が楽しみ。

6月7日   石川・金沢 交流会 ≪写真≫

1)山本農園

過疎の遊休農地をたんじゅん農法で3年目。野生動物の食害にもめげず、手ごたえが出てきて、大豆畑は体験農場として、市民に提供。さらに、山林を開墾して・・・とすすめている。努力家で、世話好き。

2)西田農園

 畑と店と通信販売で、小規模農業の見本をめざして実践。農業歴10年、たんじゅん農法は1年。
1反あまりの露地とハウス。空気を入れるという考えが不足。それがわかれば、いい方向に。

 3)若林農園

 果樹の専門家。研究家。たんじゅん農法を知って、新たな栽培法を、新たな畑で始めている。 田をユンボで高畝にして、イチジクを、幅広高畝栽培。畝の上は通路。両側に植える。リンゴも。 稲作もたんじゅん2年。だが、腐敗の田。冬に水を溜めていて、水が腐敗になったことが原因のよう。 冬季、水が入ってこない田では、堪水は却ってよくないのかも。

 4)若い方たちの農園

 年寄り(^ー^)の提案をそのまま実行し、実験した北崎さんの畑を見せてもらいましたが、新規就農1年目からうまく行き、今まである程度農の経験のある方は、あっちとこっちを混ぜて、うまくいかない原因が何なのか、わかりにくいようです。それにしれも、北崎さんの畑には、びっくり、手掘りだけで、50cmぐらいの硬い畝を200mぐらい、何とか作っていました。そして、次の畑はユンボでやりますと、手応え満々。若い方はドンドン先に進んでいます。金沢の十数人は、老若男女、それぞれ我がつよく。しかも、そこに上下がなく、「チャン」で呼び合い、仲  がいい。それは、金沢の文化か、北陸の風土か、その「和」が、天然自然基準で調和している。

6月8日    富山・南砺 交流会 ≪写真≫
・湧々農場

 農場長の吉田稔さんは、国際有機公社の会長さん。自ら、会社の製品(土壌改良剤)の有用性を試すべく、早朝から1町歩の畑を見回り、また、全国の農家の技術指導をして回っている。最近は、海外からも要請がある。この製品の特徴は、いわゆる、N,P,Kが一般の肥料よりもかなり少なく、しかも、味のよい作物ができること。水耕栽培にも使われ、3年も水が腐敗しないと不思議がられているという。ただ、生来の研究家・吉田さんは、自社の製品を、まだ少し虫がつくので、90点と評価していた。虫がつく原因がわからなかった。ところが、1昨年秋、炭素循環農法に出会って、その疑問が解けた。それ以来、吉田さんは、自分の圃場に炭素資材を大量に運び込み、たんじゅん農法の実践をはじめるとともに、炭素資材と自社の製品の両方を入れた圃場、自社製品だけの圃場の比較試験もしだした。昨年は、スイカ、トウモロコシ、ニンジンが見事にでき、半信半疑ではじめたのだが、最後は自信さえ持ち、もっと、みんなにこの農法を伝えたいと考えるようになった。ところが、今年は、4月の低温と降り続いた雨で、地温が上がらず、廃菌床を大量に散布し、晴れ間をみて トラクターで起こしたところ、廃菌床が腐敗してしまった。そこで、1)土壌を腐敗から転換するための自社製品(ポーマン)の投入。2)モミガラ堆肥の開発と投入、3)畝を高く立て、水を抜く。・・・などに取り組み、かなり改善したが、生育は遅れている。ともかく、発酵型土壌になってのメリットは、1)草が生えにくい、2)地温が上がる、3)CO2の発生が多い、4)作物の成長が早い、ということ。 たんじゅん農法を湧々農園がやっていくことで、1)地域資源(廃菌床、バーク、モミガラ、竹)の有効利用による安定農法、2)病虫害の出ない栽培法、3)硝酸塩の含有量の少ない農産物の生産、4)新しい自然観などの確立に寄与することを目指している。 今年は、その中でも、ペプチド系の発酵菌を利用してモミガラを数日で分解し、それと廃菌床などを混合したものを製造し、それを少量散布するだけで、生育末期まで、下葉が枯れない、アブラムシなどがつかない、しかも、多収穫できることを試験する。すでに、キヌサヤ、ソラマメに、それを試験していたが、まったく、上から下まで葉が元気で、ソラマメは、実がしっかりついているのに、生長点にも、アブラムシはいなかった。このモミガラ発酵菌は今後注目されるだろう。