愛知の稲垣正貴さんが、11月21日、突然現れて、畑を見たあと、久しぶりに、ゆっくり話ができた。正貴さんは、この一年、畑にこもって、土・野菜と対話してきた。まさに、自然を先生にして、いろいろ学んだ成果を話してくれた。

その際、近所の慣行農法の農家の栽培や、正貴さんの奥さんの「一言」が、大変刺激になったそうだ。
その稲垣さんの話を、まとめると、
*******************************************************************************
1) 炭素循環農法を、炭素投入農法と、勘違いしていないか。

「炭素資材が足らない、エサ不足」だと聞いて、どんどん炭素資材を入れる。しかし、その資材が、微生物のエサになっているのか、作物の養分として吸収されているのか。その観察を抜きに、炭素を投入し続けると、逆に、作物ができないようにしていないか。それは、炭素投入農法であっても、炭素循環農法ではない。

2) 貧食も、過食も、病気を呼ぶ。

エサ不足、養分不足も、生物を病弱にするが、反対に、エサを過剰に与えることも、病気や腐敗の原因になる。炭素を「いい加減」に与えて、それは吸収され、循環し、生命を保たれる。

3) 「人間が基準」ではなく、「自然が基準」。

「いい加減」か、どうかは、自然が答えを出してくれる。人間の考えは、問いであっても、答えではない。その点、正貴さんの奥さんは、炭素循環農法は知らないが、収穫や出荷をしながら、「答え」を、直観と観察で、見つけている。

その話を聴いて、静岡・掛川の畑、日火木園の現状を言われている気がした。
(1)日火木園の畑は、今年で、たんじゅん農法3年目。
昨年は、70cmぐらいまで団粒化し、野菜のできもよくなり、虫も余りつかなくなったので、50点ぐらいかな。今年は、だから、7,80点になると期待した。
(2)昨年は、炭素資材が手に入りづらく、苦労した。ところが、今年は、しめじの廃菌床が毎月4トン運ばれてくることになり、これはいい実験になると、「毎月」畑にそれを畑に入れた。毎月、廃菌床を1,2cmの厚さ、「投入」し続けた。
(3)しかし、それでも、夏になっても、団粒化は70cmのまま。いのししの被害も相変わらず。それは、茶畑のあとを畑にしたので、チッソ肥料が硬盤層をつくっているからだとした。
(4)秋になると、植えた冬野菜が、昨年よりも、ひどい虫食い状態になった。(『たんじゅん農法の広場』の田舎モンの写真を参照)

そんなこんなで、もしかしたら、・・・・としていたところに、稲垣さんがわざわざ、愛知から、このために、来てくれて、上のような話をしてくれたのだ。

秋は雨が多かった。今年入れ続けた、廃菌床は、微生物の「エサ」になるどころか、炭素を循環することを邪魔し、作物の根を痛めていることを、畑は、野菜は、正直に訴えてくれていたのだ。

もう一つ、宮城の大槻さんのすばらしい稲の話が、そのとき、盛り上がった。反収15俵を目指すには、炭素資材を入れればいいのかについての、答え。
大槻さんは、田んぼからわらを出し、田植え前には、除染のために、水を入れては汚れを川に流すことを3回したという。それで、15俵。
稲垣さんの奥さんは、それを聴いて、「腐るものは、入れないほうがいい」ということじゃないの?と一言。
それで、「ガーン」ときた稲垣さんは、来年に向け、それでやってみようとしている。
掛川の田でも、冬の間に、何度も浅く、トラクターで、耕運して、春までに完全に有機物を分解することをやってみよう。

要は、
炭素資材の過剰な<投入>は、微生物にも、作物にも、人間の勝手なおせっかい。
炭素資材が<循環>して、はじめて、作物は育つ。
「いい加減」が、いい加減。

食べ過ぎ、食べ「させ」過ぎにご用心。
畑も、人体も、そして、アタマも。