「チップ研究会」が神奈川で、2月13日に開かれました。
0)たんじゅん農法の広場」に「チップ研究会」の速報を載せました。
1)研究会の内容の概要
2)針葉樹チップと広葉樹チップの違い 稲垣正貴
1)研究会の内容の概要
チップに種類がある。
◎ 針葉樹系と広葉樹系
◎ 太い幹のチップと、細い葉や枝の多いもののチップ
◎ チップにしてすぐと、チップにして長期間放置したもの
◎ チップ主体と、チップに草をまぜたもの。
そのどれかを、よく観察する。
一般的に言って、前者は発酵しにくく、後者は発酵しやすい。
微生物が忌避する成分を含んでいるのは、針葉樹系。
それが含まれたチップを使うと、発芽が抑制されたり、苗の根の伸びがわるい。
針葉樹、あるいは、太い幹のチップの場合、その発育抑制成分が多く、それを抜くには、60℃以上にチップを発酵させるといい。
それには、チップを1.5mから2mの高さに積む。
それ以上の高さに積むと、空気が中に入りにくく、成分が抜けにくい。
それより低いと、温度が上がりにくく、成分が抜けにくい。
また、積んでおく量が多く(数100キロ以上)ないと、温度が上がらない。
それを数日~一月以上続けると、温度は下がってくるが、それは、忌避成分が抜けたためではなく、酸素がなくなって、微生物が働かなくなったためである。
その際、切り返して、空気を中に入れてやると、また、60℃まで温度は上がる。
それを、2~4回繰り返すと、忌避成分がぬける。(ヌカや水を入れないでもなる)
広葉樹のチップ、あるいは、小枝のチップの場合は、そんな手間をかけないでも、数か月雨ざらしにしておくだけで、忌避成分は抜ける。
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2)針葉樹チップと広葉樹チップの違い
これは、針葉樹主体のチップで、2年以上研究・実践してこられた稲垣正貴さんの感想です。
チップの多くは、全国的に見れば、やはり、長い目では、針葉樹主体になると、予想します。
その意味でも、針葉樹のチップの実践、実験は、とても貴重で、これからも、みなさんが実践できるように、研究が進んでいくことでしょう。
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愛知・津島 稲垣 正貴さんの感想
剪定チップといっても材料となる樹種や部位で扱い方(アク抜きの必要性や土に入れるタイミングなど)が全く異なるということを知り、大変驚きました。
僕が使用している剪定チップは針葉樹の含有率が多く、さらに部位としては幹の部分の割合も多めのものなので、アク抜きは必須ですし菌が回るのにも時間がかかるのですが、中村さんや山本さんがご使用のチップは広葉樹主体で部位としても枝葉が多く、すぐに自力発酵が始まり分解も早いとのことで、特性の異なるチップの事例を比較することが出来、まさに「チップ研究会」の名にふさわしいものだったように思います。
こういった事例データを集めて整理することで炭素資材の性質が明確になり、圃場利用時の成功率が上がってくるのではないでしょうか。
「チップ材はアク抜きが必須」と思っておりましたが、広葉樹チップに僕がやっているようなアク抜き処理をすると、下手すると腐らせてしまいマイナス効果になってしまうわけですが、これこそまさに林さんのおっしゃる「こだわり障害」や「経験がじゃまをする」ということなのだと実感しました。
今回のような集まりをもち情報交換をするというのは、脳の団粒化促進(腐敗防止?)になりますね!
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